引きこもりの私
私は中学生時代、不登校になってからひたすらゲームをしていた。「フォートナイト」というオンラインTPSゲームだ。その頃は友だちの間でこのゲームが流行っていた。だが、私は友だちとプレイすることはなかったのだ。
「完璧でない私を表には出せない」
完璧でない状態の私を、外部から徹底的に遮断した。家に出ることもなく、ただひたすら家にこもっていた。唯一関わることができるのは、私のことを知らないネットの人だけだったのだ。
病院への抵抗感と心の葛藤
そんな私を見兼ねた親は、病院に連れて行こうとした。外に出ることさえ嫌なのに、病院など余計に行きたくない。それに、「まるで私が病気みたいじゃないか」と、当時の私は思っていた。
私は何度か抵抗したが、折れて渋々病院に行くことにした。
内心、病院に行くこと自体は問題ない。だけど、医者に何か言われるのがすごく怖かった。自分だって気づいている。この状況が悪いことくらい。でも認めたくなかったのだ。
みんなもこんな経験ないだろうか? 心の中ではわかっているけど、認めたくない。認めてしまったら心が壊れそうで、見て見ぬふりをしてしまう。これは、心が弱った人間の心理だと思う。
私はまさにこの状態だった。
案の定、私はゲーム中毒と診断される。完璧とはほど遠いことを第三者に告げられるのは、とてつもなく苦しくて、悲しかった。それに悔しかった。
唯一の拠り所だったゲームを取り上げられた私は、何も残らない。そこからずっとぼーっとして、何をする気力もなかった。お風呂に入ることも、歯磨きも、着替えだってできなかった。
今思えば、あの頃の私はうつ病だったのかもしれない。
私が変われたきっかけ
ところが、私はあることを始めてから、この状態が徐々に改善していった。
それはスポーツだ。私は卓球を始めた。
実は、スポーツが好きで得意だった。過去には野球やバスケ、水泳を頑張っていた。
なぜ卓球を選んだのか。それは、できるだけ人と関わりたくなかったからだ。卓球は個人技だし、一人で集中できる。バドミントンでもよかったが、近くにクラブチームがなかった。
卓球を始めてから、あのくだらない日常に色がついた。今までできなかった生活が、少しずつできるようになったのだ。
同じ境遇の人へのメッセージ
私は本当に思う。スポーツはすごい。これほどまでに人生に彩りを与え、心を熱くしてくれるものは他にない。
もし、私と似た境遇で困っている人がいるなら、趣味を見つけるといい。趣味はきっと、あなたを今の状態から少しでも良くしてくれる。その中でも、私はスポーツをおすすめしたい。
親御さんへのメッセージ
そして、このような境遇の親がこの記事を見ているのなら、ぜひお子さんと一緒に趣味を見つけて、それをサポートしてあげてほしい。
私たちのような子どもは、親に心配や迷惑をかけてしまうことが多い。それでも、親が寄り添おうとする気持ちは、子どもにとって本当に大きな力になる。
親だって、きっと苦労や葛藤を抱えながら精神をすり減らすこともあるだろう。だからこそ、どうかもう少しだけ子どもに歩み寄ってほしい。
本当にいつもお疲れ様です。
著:yu-jin